2011年6月6日月曜日
6月3日 パート1 @ミュンヘン、ドイツ
『BISS』誌といえば、ヒルデガルド。ヒルデガルドといえば、『BISS』 誌。
『BISS』誌の代表を務めるヒルデガルドが、世界のストリート・マガジンのスタッフの間でも有名だ。年一回のストリート・マガジンの総会で会うと、毎年「よく来たわね~」とぎゅぎゅっとハグ。広くて熱い心をもった、頭の切れる女性、そう、それがヒルデガルドなのだ。
休暇を終えたヒルデガルドと事務所で対面すると、やっぱりあのハグで出迎えてくれた。あー、もうそれだけで涙腺が緩んでしまう。
1993年にドイツ初のストリート・マガジンとして誕生した『BISS』は、ストリート・マガジンの中でもとりわけ安定した組織だと言えるだろう。財政的に持続可能とは言えず、経営破たんしてしまうストリート・マガジンも多い中、『BISS』誌は安定した経営を続けてきた。その秘訣を聞くと、間髪入れず、「それは、常に販売者のことを一番に考えてきたからよ。雑誌の売り上げでもなく、組織を大きくすることでもなくね」とヒルデガルド。初めはその答えが理想主義的に聞こえていたのだが、彼女と1日過ごすと、理想主義が一番現実的で実際的なのだと感じられて仕方なかった。
『BISS』誌の特徴は3本柱に支えられている。1番の特徴は、販売者の中で、『BISS』誌と雇用契約を結んでいる者がいること。『BISS』誌では、雑誌販売を1年ほど続けた時点で、この組織と雇用契約を結ぶかどうかを販売者が選べる。雇用契約を結ぶ場合は、第一段階として、月400冊以上、雑誌を売ることを約束する。これによって、パート・タイムの従業員として、『BISS』誌に登録される。
月400冊を継続的に売っていける自信がつくと、段階的に600冊、800冊と目標が上がっていき、800冊の段階で、『BISS』 誌のフルタイムの従業員として登録され、月収1150ユーロが得られる。『BISS』 誌のフルタイム販売者さんは、税金も払う。「彼らほど喜んで税金を払う人も珍しいんじゃないのかしら」とヒルデガルド。社会に少しでも貢献できるのが、誇らしいのだろう。46歳のマーティン・ベラソーは、35人いるフルタイム・ベンダーのうちの1人だ。13年前からこの雑誌の販売を続けており、9年前から雇用販売者となった。今では犬のマヤと、フラットに住んでいる。「先日中古のギターを買ったんだ。家に帰ってお気に入りの音楽を聴く瞬間がたまらないね」と顔をほころばせる。
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待ってました、ミュンヘン!
返信削除やっぱり「BISS」は、ヒルデガルトさんあっての「BISS」。
「販売者のことを一番に考える」のってビジネスと対局のように聞こえるのですが、それがモティベーションとなってアイデアが生まれ、戦略が生まれていくのが「BISS」のかっこよさですよね。
ブログ記事を通しても、ヒルデガルトの熱さが伝わってきます。
やーさま、お久しぶりです。
返信削除「BISS」の仕組みをもっと知りたいです!日本に取り入れるには物価や雇用形態などハードルはたくさんありそうですが、理想から現実に落としていく作業が重要なんですね。
なんだか光が見えた、そんなひと時をありがとうございます。
>Tomoさん
返信削除ベルリンではお世話になっています。^^
いやー、ヒルデガルドはほんと人生のロールモデルですよね。
かっこいいひとやなぁと会うたびに思います。
>tanichuaさん
コメントありがとうです。光を感じてもらえたら、こんなにうれしいことはないです。ほんと、理想から現実に落としていくのが、すごく大事なんやなーとBISSを見ていたら思いました。もらった資料、また送りますね。(郵便局、すぐみつけられたらいいんだけど・・・汗)