2011年6月6日月曜日



6月2日 @ミュンヘン、ドイツ
 今日はキリスト昇天祭で祝日だと、『BISS』誌のシモーヌから聞いてはいたのです。でも通りを出てみてびっくりしました。こんなにも、どこもかしこも店が閉まっているなんて・・・。
 それで、どこにも行く場所がなくて、暇だったのですが、ふとあることを思い出したのです。ミヒャエル・ゾーヴァという大好きな画家・イラストレーターがいるのですが、彼が挿絵を担当した『ちいさなちいさな王様』(アクセル・ハッケ作/講談社)という絵本のことです。新聞記者の主人公が、ある日「ちいさな王様」と出会い、初めはぎょっとしながらも、次第にちいさな王様の箴言に妙に納得してしまうというお話。「おまえたちの想像の世界はどんどん小さくなっていき、知識はますますふくれあがっていく。そうじゃないのかね?」なんていう王様名言には、読む側も思わずドキリとしてしまいます。
この中で、新聞記者(だったと思う)の主人公が、自分の通勤路を説明する箇所があるのです。それが、確かミュンヘンだったはずです。調べてみると、宿からそう遠くありません。それで、この絵本の主人公の通勤路をたどってみることにしました。
「コルネリウス通りを下ってゲルトナー広場へ、それからブルーメン通りとヤーコブ広場をわたって、ゼレドリンガー通りへつく」・・・
 おおおー、本当に実在するんだ、この通り!と一人大興奮。まばらに通りを歩いている人たちは、何の変哲もない通りで何をこの日本人ははしゃいでいるんだと、奇妙に思ったことでしょう。
この絵本では、主人公が通勤途中、フラウエン通りへ曲がるため信号待ちをしている車の列に青い竜が火を吹くシーンがあります。もしかしたら、私も青い竜に出会えるかも?!そしてもっと運がよかったら、ちいさな王様にも会えたりして?!と気持ちは高鳴ります。
 結局、今日は青い竜には出会えなかったのです。それは、たぶん、今日が祝日だったからでしょう。青い竜もちいさな王様も、さすがに祝日くらい休ませてくれよと、家で休んでいることでしょう。
 

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