6月22日 パート1 @ブラティスラバ、スロバキア
『ノタベネ』誌の販売者さん、ヴラダに話を聞く。孤児院で育ち、「いつも両親の愛に飢えていた」と語る彼。その後、住み込みで働いていた工場でも解雇され、路上での生活を余儀なくされた。寝ているときに襲撃されたこともある彼にとって、路上での生活で心休まることはなかった。
10年前に『ノタベネ』に出会ったことが人生で一番うれしかったこと、と語るヴラダ。「この仕事で大変だったことは?」と聞いても、「『ノタベネ』で大変だったことは一度もないよ。それ以前の人生がもっともっと過酷だったからね」と語る。
現在は知り合いのガーデン・コテージに住まわせてもらっている彼にとって、『ノタベネ』で築いた人間関係は宝物のようだ。売り場付近の銀行のガードマンとも仲良くなり、雑誌販売中にからまれそうになったら、助けてくれるという。
話を聞いている最中も傍らにいるソーシャル・ワーカーのスタッフと目配せして笑いあったりして、すっかりリラックスしている。彼にとっては『ノタベネ』が心落ち着くホームなのだろう。
そんな彼に、「夢はなんですか?」と聞いてみた。「僕には夢はない。ただただ毎日を一生懸命に、一歩一歩生きていくだけさ」
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