2011年6月13日月曜日


6月9日 パート1 @ベルリン→ポズナン、ポーランド
 宿が同じだった上海出身のチェル・ライと、偶然電車の出発時刻が似ていたので、ともにベルリン中央駅へ出発。9時半発の彼女を見送った後、自分のプラットホームへと向かう。9時40分に中央駅を出発すると、進行方向に向かって右側の窓からアレクサンダー広場のテレビ塔が目前に迫りくる。道に迷いそうになるといつも助けてくれた全長365メートルのこの塔ともお別れだ。
 ポーランド・ポズナン行きの列車は、6人掛けのコンパートメント仕様。発車早々向かいのドイツ人のおじさんがCDウォークマンで音楽を聴き始めたのだけれど、音漏れしているサウンドが素敵に聴こえたので、思わず「だれが歌っているんですか?」と尋ねてしまった。ノートに書いてもらと、「Barbel Wachholz」とのこと。あとでYoutubeで、「Abends kommen die Sterne(夜には星が来る)」なんかを聴いてみたのだが、歌い上げ系でなかなかよい。
 身振り手振り80パーセント、英語18パーセント、ドイツ語2パーセントのその会話を横で聞いていてクスっと笑ったのが、同じコンパートメントに座っていたアメリカ人のジャスティン。この笑いがきっかけで旅に出た理由なんかをお互い語り合い、コンパートメントは一挙に話に花が咲いた。
 ミネソタ州出身のジャスティンはパスポートをもって海外へ旅に出かける数少ないアメリカ人。2カ月間ヨーロッパを旅してから就職活動をするという。アメリカ人のパスポート保有率は2割以下で、“グローバルな視点”を強調する割には内向き、という話をアメリカ人から聞いたのは初めてだった。他にも、4年ごとに大統領選挙があるので、共和党も民主党も互いの政策を否定しあうばかりで、なかなか1つのことが進んでいかないという話などすごく納得。誰のせいというのでもなく、このシステムだと「変化」ばかりが起こり、なかなか「成熟」には達しないのかもしれない。
さっきまで読んでいたRolf Pottsの『Vagabonding: An Uncommon Guide to the Art of Long-Term World Travel』という本を薦めてくれた時には、3時間弱の電車の旅は終わろうとしていた。

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