2011年6月13日月曜日
6月8日 パート2 @ベルリン
昨晩、宿で同室の、上海出身のチェル・ライと話していると、なんとあのベルリン・フィルで13時からフリーコンサートをしているという。
「ほんとに?!」と半信半疑で、でもやって来ましたベルリン・フィル。受付で恐る恐る「フリーコンサートがあるって聞いたんですけど、本当ですか・・・」と小心者丸出しで聞くと、「あーそれは、毎週火曜日だけだよ」とのこと。今日は・・・水曜日ですね・・・がっくし・・・。
でも、今日も13時から、なんと3ユーロ(約360円)で内部ツアーをしているという!迷うことなく、ツアーの一員に加わった。
まずは、大ホールへと一同大移動。扉の向こうでは、コントラバスがリハーサル中だった。ハンス・シャロウンによって設計され、1960年から63年にかけて建てられたベルリン・フィル。ステージ前方、観客後方の「靴箱型」のステージではなく、初めてステージを中央に置くスタイルが採られた。これをシャロウンは「公園でストリートミュージシャンが音楽を奏でたら人々は彼の周りを取り囲むはずだ」と語り、人間の自然な行動に基づいて、この構造を採用したという。
観客席はあたかもブドウ畑の谷のように配置され、この空間で水平な線を描くのはステージだけ。天井は星降る夜空を思わせ、まるで野外音楽堂のよう。
第二次世界大戦後のドイツでシャロウンは、「皆が等しい機会をもつ」「会場一帯がコミュニティになる」ということをめざしたという。仰々しい飾りを排してシンプルに徹し、自然からアイディアを得た有機的なデザインには、この建築家の思想がさりげなく示されている。
1時間のツアーを終えて外に出ると、深い緑の森が誘う。昨日、ベルリンに留学中のライターの三浦愛美さん(http://punktchen-m.blogspot.com/)に連れて来てもらった時には、リスもお目見えした多様性に富む森だ。いい音楽を聴いた後に、こんな森で余韻に浸れたら最高だろうなぁ・・・。
宿に帰って、シャロウンの建築を思い起こしながら、PCに入れてきたサイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィル演奏の「牧神の午後への前奏曲」「海」「おもちゃ箱」を聴きながら、眠りについた。
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