2011年6月24日金曜日
6月21日 @ブラティスラバ、スロバキア
スロバキアの『ノタベネ』誌は、2001年創刊。当時、INSP(ストリートペーパーの国際ネットワーク)が中・東欧でストリート・マガジンを創刊できるような団体を探しており、ブラティスラバで白羽の矢が立ったのが、当時ソーシャルワークを学ぶ学生だったサンドラたち3人だった。
あれから10年。「もう10年たったとはねぇー。この仕事はあまりにも私の人生と密接にかかわりすぎているわ。いつも仕事に没頭しすぎて、自分の人生のこと考えるのをつい忘れてしまうんだけど」と笑う。「でも、人生で大切なことはすべてこの仕事から学んだ気がするわ」と語る。
その例として、4年前この地にできたホームレス状態の人のためのシェルターのことをサンドラは語りだした。話は、6年前の冬にさかのぼる。当時、20人ものホームレス状態の人たちが路上で死んだことがこの国で大きな社会問題となっていた。というのも、その頃はシェルター入場前にアルコールテストがあり、これに引っかかった人は、シェルターで寝泊まりすることを拒否されたのだ。行き場をなくした彼らが、寒い冬の路上で凍死することもめずらしくなかった。
「当時、同僚のニーナとこの問題に取り組んでいて、酒気を帯びていたとしても、アルコールテストなしに、誰でもシェルターに泊まらせるべきだというキャンペーンを張っていたの。でも、冷たい反応を示す人もいて、私の意欲もくじかれそうになった時に、ニーナがこう言ったの。『21世紀に路上で人が死ぬっていうことを許していいと思っているの?』」
ニーナの信念は人を動かし、結果、酒気を帯びていても寝泊まりできるシェルターが新たに設けられた。「このことを通して、自分のやっていることを信じていくことの大切さを目の当たりにしたわね」とサンドラ。「これは今では、私の人生の指針でもあるのよ。『自分のやっていることを信じてあげなければならない』ってね」
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