6月3日 パート3 @ミュンヘン、ドイツ
路上から墓場まで―――『BISS』方式を可能にしているのは、三本柱の最後の1つである、「ゴッド・ファーザー」制度があげられる。
これは、個人や会社が寄付を表明した場合、彼らの寄付によって、雇用された販売者さんの給料を払っていくというものだ。『BISS』 の誌面では、毎号1ページが割かれ、現在いる36人のゴッド・ファーザーと雇用販売者を紹介している。例えば、前述の販売者マーティンは、アントニー・ツォウナー・スティフトゥングというゴッド・ファーザーがいる。販売者はゴッド・ファーザーに会うもあわないも自由。ヒルデガルドによると、ゴッド・ファーザーへ感謝の意を表す責任があるのは販売者ではなく、『BISS』 誌だということを、初めに明確にしているとのこと。
市民と市民がともに人間関係を結びなおすゴッド・ファーザーのシステム。マーティンの穏やかな顔を見ていると、生涯の「居場所」を確保できると、人はここまでリラックスできるんだなぁ、と感じる。
販売者のことを一番に考えてきたヒルデガルドの17年。『BISS』の文化は、ミュンヘンの地で確実に根を張りつつある。
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