2011年5月14日土曜日



5月13日 パート1 @コペンハーゲン
 やってきました、デンマークのストリート・マガジン「フス・フォービ」の事務所へ!アポイントをとっていなかっのだが、雑誌編集長のサイモンが快く迎え入れてくれた。
 「フス・フォービ」の創刊は、96年8月にさかのぼる。その約1年前の95年、コペンハーゲンで国連社会フォーラムが開かれた。そのワークショップの1つで、「コペンハーゲンでも英国のビッグイシューのようなストリート・マガジンが必要なのではないか」という機運が生まれたという。
 スティーンとアクセルという2人の若者によって生まれたストリート・マガジン『フス・フォービ』。サイモンによると、「フス・フォービ(Hus Forbi)」とはデンマーク語で「not my business(私の知ったこっちゃないよ)」という意味だという。一方で、「Hus」は「家」を意味する。家は生きることの根幹にかかわり、誰の人生にとっても大切なもの。それを、「知ったこっちゃないよ」で、すまされますか?というデンマーク流の皮肉のスパイスの効いたユーモアがその雑誌の名前に隠されているのだ。
 サイモン自身は、4年前からこの雑誌に携わっている。修士課程で、特にアフリカに関する開発学を学び、ジャーナリストとして活動していたというサイモン。その延長線上に「フス・フォービ」があった。「モザンビークでも、コペンハーゲンでも、貧困がもたらす絶望感は同じなんだよ」と彼は語る。
 販売者さんと人間関係を築けることは、楽しみでもあり苦しみでもある、とサイモンは言う。
「“ホームレス”ではなく、1人の人間として彼らと付き合えるのは、この仕事の醍醐味だ。一方で、ある販売者と仲がいいのだけれど、彼はすごく調子のいい日もあれば、人生とどう折り合いをつけていいかわからなくて自殺しようとするときもある。そんな現実に直面すると、とてもつらいね」
 今年は、1971年から毎年デンマーク・ロスキレで催されている野外ロックフェスティバル「ロスキルド・フェスティバル」でも雑誌販売を行う予定だという「フス・フォービ」。デンマーク中に約600人いる販売者さんにとっても、すばらしい時間となるだろう。

2 件のコメント:

  1. 「ジャガイモを口にいれたままドイツ語をしゃべるとデンマーク語になる」のだそうです(苦笑)。それくらいデンマーク語の発音って独特で難解だと聞いたことがありますが、「フス・フォービ」もジャガイモ風に発音するんでしょうか?「豊かな福祉国家」として知られている北欧にもストリートペーパーがある現実。完璧な社会なんてないんだなと改めて実感です。

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  2. tomoさんっ、そうなんですねー、「ジャガイモを口に入れたまま」を試してみたかった!!
    「完璧な社会」はない、は同感です。
    一方で、肩の力を抜いて楽しみながらストリート・マガジンを発行している人たちを見ると、ものすごく元気をもらえます。

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