2011年5月28日土曜日


5月24日 パート2 @アムステルダム
 逆方向のトラムに乗ること数回。天性の方向音痴は、さらに磨きがかかっているように思える。ようやく、アンネ・フランクの家にたどり着いた。運河沿いのこの家に、毎日世界中から観光客が訪れる。空が青く染み渡ったこの日、正直ここに来るべきかかなり迷った。過去に起こった現実に直面するのには、あまりに日和がよすぎる気もしたけれど、結局、この家の前の長蛇の列に加わることにした。
 アンネ・フランク一家が生活した屋根裏に入り、息を吸う。8人がひしめき合って暮らし、昼間はカーテンを開けることもできず、あの青い空を見ることもできず、いつ終わりが来るかもわからなかったことを思うと、息が詰まる。
 皆食い入るように1人の少女の写真を、直筆の日記を見つめる。父オットーが語る少女の一生や収容所での生活に耳を澄ます。いろんな言語がささやかれるこの部屋で、平和を思う気持ちだけは、共通の思いとして人々の胸に刻まれたに違いない。

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