2011年5月28日土曜日
5月26日 パート2 @パリ
バスティーユを後にして、『マカダム』のもう1人の中心人物、フランソワに話を聞くことになった。パリ東部にある、彼の本業のほうの事務所へと向かう。
フランスのストリート・マガジン『マカダム』は、紆余曲折を経てきた。16年前に、産声を上げたこの雑誌は、急成長を遂げて、一時はフランス全土で100万部を売り上げ、大きなオフィスを持つまでになった。だが、栄光は長くは続かず、06年第1幕が幕を閉じ、第2幕が開くまでに1年の時を要した。その立役者がフランソワだ。
「ガブリエルという元販売者の男性に偶然会ってね。『もう一度「マカダム」を立ち上げてくれないか』って頼まれたんだよ」。こうして07年、『マカダム』は再度パリの路上に姿を現したのだった。
現大統領夫人カーラ・ブルーニをインタビューしたフランソワだ。だが彼女が表紙の号は、夫であるサルコジ大統領の政策もあって、パリではそんなに受け入れられなかった。率直に、フランソワがそのことをカーラ・ブルーニに伝えると、彼女は「カーラ・ブルーニ」財団を立ち上げ、今度は金銭的に『マカダム』誌を支えてくれているという。率直にものを言って、前向きに行動する2人の心意気に、素直に感動してしまった。
ボランティアで『マカダム』の代表を務めるフランソワに、『マカダム』で一番思い出に残っていることは何か聞いてみた。「1人の若い販売者が大学の図書館に職を得たという知らせをくれたんだ。しばらくすると、『家に住むことができたので、ぜひ遊びに来てください』って呼んでくれた。家族で訪れると、夕飯を振る舞ってくれてね。ともに食卓を囲めたのが嬉しかったね」
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