2011年5月8日日曜日



5月3日  @サンクトペテルブルグ
 サンクトペテルブルグと言えば、エルミタージュ美術館。というわけで、地下鉄を乗り継ぎ、ホームステイさせてもらっているマヤ&サーシャ夫妻とエルミタージュのある「ネフスキー・プロスペクト」駅にやってきました。地下鉄は、25ルーブル(約75円)で路線図のどこへでもいける住民の足だ。
 さすが、ロマノフ朝第8代女帝、エカテリーナ2世をはじめ、歴史上の皇帝が実際に住んだ宮殿だけあって、建物自体が豪華絢爛。寒空の下、長蛇の列の一員となったが、建物のディテールを見ているだけでも飽きない。
 ついに、その建物に一歩足を踏み入れると、料金はロシア人100ルーブル(約300円)、外国人400ルーブル(約1200円)。さらに、館内の写真を撮りたいアマチュアカメラマンは200ルーブル(約600円)必要です、とのこと。
 そういえば、ロシアの観光ビザを取るときも、「2週間後の受け取りなら無料」「1週間後なら5千円」「翌日なら3万円」と料金設定がおもしろかったことを思い出す。
 まずは1階の古代エジプト展示室から。旅のおともに『ロゼッタストーン解読』(新潮文庫/レスリー・アドギンズ、ロイ・アドキンズ)をもってきたものの、未読に終わっている。展示品の解説もロシア語のみだったので、ヒエログリフの読み方をおぼえてこればよかったと、激しく後悔。
 大使の階段をのぼって2階へ。1917年のロシア革命時には、革命軍もここから突入したという。なんだかエミルタージュ美術館に足を踏み入れた途端肌で感じた人間臭さみたいなものは、ここが美術館であったと同時に、生活の場であり、政治の場であったからだろう。
2階で目を引いたのが、キース・ヴァン・ドンゲン(1877-1968)というフランスに帰化したオランダ人画家の「Dame au chapeau noir(黒い帽子の女)」と「Danseuse(踊り子)」という作品。なんだか、その女性たちが、血の流れた生きている人間のように見えた。しばらく眺めていると、自身の半生を語りだしそうだった。
ゴッホの「エテンの庭の思い出」は、その厚塗りにびっくり。噂には聞いていたが、すごい・・・。キャンバスにこんもり塗られた絵の具が、時を経ても、すごく生々しい。当時のゴッホの感情もその絵具の中で生渇きのまま残っているようで、妙にリアルに感じてしまう。
 3時間の鑑賞を終えると、頭と足が糖分を要求。サーシャおすすめのカフェでスウィーツとラテを注文。こってり濃厚のチョコレートクリームも、今日はすーっと身体にしみいっていった。

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