2011年5月11日水曜日


5月10日 パート1 @オスロ
 朝10時半ごろ、オスロのストリート・マガジン『エルリック・オスロ』の事務所を訪れると、すでに販売者さんたちが談笑していたので、仲間に加えてもらうことにした。
 ニルスは創刊以来、ヤンは半年前から雑誌の販売をしている。『ビッグイシュー日本版』を渡すと、「へぇー縦に書かれている」「雑誌は逆のページから繰っていくんだね」と興味津々だ。
 常にヘッドホンで音楽を聴いているヤンに、「どんな音楽が好きなの?」と聞くと、「ピンクフロイドとかニール・ヤングかな。ニール・ヤングは歌詞がすばらしいよね」との答え。「ニール・ヤング、『ビッグイシュー英国版』のいつかの表紙になっていたよ」と伝えると、かなり興奮した様子だった。「そういや、ボブ・ディランも09年のクリスマスに世界のストリート・マガジンに向けてメッセージをくれたもんね~」(http://www.streetnewsservice.org/news/2009/november-2009/feed-210/bob-dylan-discusses-holiday-music,-christmas-and-feeding-the-hungry.aspx)「普通にそういうことできるの、かっこいいよね~」と話が盛り上がる。
すごく紳士で素敵な2人だけれど、ドラッグ依存症に長年悩まされているという。『エルリック・オスロ』には150人の販売者がいるが、そのうちのほとんどがドラッグ依存症を抱えているという。こんなにピースフルなオスロで・・・とにわかに信じられない気持ちを正直に先日クリスチャンに打ち明けたら、「よくそういわれるんだけど、オスロだってこの世の一部なんだよ」との答え。「たとえば親に虐待されたり受け入れてもらえなかったり、もしくは誰かにレイプされたりしたら、ヘロインが必要になる。心の痛みをすっかり消し去ってくれるからね。そして一度手を出してしまうと、もうやめることはほぼ不可能に等しいんだ」
実際、話の途中でドラッグ依存症の話になると、「ぼくもどうやったらドラッグをやめられるのか、わからないんだよ」とニルス。その青みがかったグレーの瞳に困惑の色がにじんだ。

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