2011年7月30日土曜日


7月18日 パート1 @ミラノ、イタリア
ミラノのストリート・マガジン『Terre di Mezzo』の事務所を再訪。創設者の1人、ミリアムに会うことができた。
94年、ミリアムたち4人が、「ビッグイシューのような雑誌をミラノでも!」とお金を出し合い、誕生した『Terre di Mezzo』。当初から販売者の大半がセネガルからの移民が占め、今でも60人いる販売者のうちの90パーセント近くを占める。とかく政治的な問題になりがちな、移民の存在。だが、彼らが路上で『Terre di Mezzo』を販売することで、そこに対話が生まれ、いつしか移民とイタリア系住民としてではなく、1人の人間として向き合えるようになる。
言葉も文化も違う彼らとともに仕事をしていくことは、大変さも付きまとうと思うのだが、ミリアムは「まずは、お互いに尊敬の念を持つところからコミュニケーションは始まるのではないでしょうか」と、この17年間の活動で得た箴言を口にする。
『Terre di Mezzo』にとって、路上とは販売場所でもあり、他者と出会い、関係を結び、分かち合い、参加する場所であるという。
03年には、誌面を飛び出して、現実の社会でもそういう場所をつくりたいと、「Fa’la cosa guista!」というフェアを開催。人間を人間として使う持続可能な社会や経済の枠組みをともに作っていくために、有機野菜やフェアトレード商品、エシカルな金融、オルタナティブなエネルギーなどをあつかう業者と市民が出会う場をプロデュースした。
毎年の恒例行事となった「Fa’la cosa guista!」。09年3月に開催した際には5万人の人々が訪れ、知恵を分かち合ったという。
「17年間『Terre di Mezzo』をやってきて、燃え尽きたと感じることはありませんでしたか?」という問いに、きょとんとした表情を見せたミリアム。他者と出会い、関係を結び、分かち合い、参加する場所をつくる『Terre di Mezzo』の活動は、今後も多くの人たちを巻き込んで、大きな輪となっていくことだろう。

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