2011年7月27日水曜日
7月16日 @ボローニャ、イタリア
井上ひさしさんの『ボローニャ紀行』を読むにつけ、私の中でこの街への思い入れは増すばかりでした。ヨーロッパ最古の大学ボローニャ大学に柱廊の街。第2次大戦中はレジスタンス都市であり、文化による街の再生を集中的に行っており、その手法は1970年代に「ボローニャ方式」として世界に知られた。また、イタリアで初めてストリート・マガジンが誕生した地でもある―――。
そんなわけで、友人Hさんと2人、ボローニャへの日帰り旅行を敢行することに。土曜日のこの日電車は満席で、2時間立ちっぱなしの電車の旅となったが、車窓と1杯のカプチーノが旅の疲れを感じさせない。
やって来たボローニャ、まずはお目当てのチネテカへ繰り出す。たばこ工場の跡地に建てられた、映画の修復と保存のための複合施設だ。訪れると今晩マッジョーレ広場で映画上映会があるということだったが、電車の時間もあり、参加は無理…残念! だが、「古い建造物を壊さず、内部を現在の必要に合わせて使う」ボローニャ方式の最たる例にじかに触れることができ、感激もひとしおだった。
4人の映画好きから始まったチネテカは、今ではチャップリンの映画など、世界のフィルム修復を一手に引き受け、たいへんなお金をこの街にもたらしている。このチネテカの歴史を紐解いて、井上ひさしさんは『ボローニャ紀行』の中で、こう語っている。
「あることに熱中する人たちがいたら、彼らに資金を提供して、好きなようにやらせてみる。(中略)そういう市民の冒険に、お金を持つ者が参加する。そして初めは小さかったパイをみんなで大きく引きのばして、みんなが楽しめて、みんなが食べていけるような事業にしてしまうのです。そこに都市の創造性があるというわけです」
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