7月13日 @ボルツァーノ、イタリア
気づくと、がっしり心をわしづかみにされていた。
1週間ほどお世話になっている、イタリア・ボルツァーノに住む友人Mが貸してくれた大和和紀さんの漫画『はいからさんが通る』を、寝る前に、特に期待もせずに読み始めた。―――時は大正。編集者の道を歩み始める「はいからさん」こと花村紅緒と、日露戦線に参加したため運命の歯車が狂う伊集院少尉との純愛ドラマかな、と思って読み始めると、関東大震災ですべてが無に帰した東京の街で、手を取り合って生き延びる人々の物語だった。最後のページを繰るのを待つまでもなく、目からは大粒の涙がいくつもこぼれていた。
3・11の、あの大震災から4カ月。35年前に生まれた「はいからさん」から、励ましという大きな贈り物をもらった。
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