2011年7月6日水曜日


6月30日 パート2 @ベオグラード、セルビア
 10分の道のりで、何人に道を聞いただろう? 宿からストリート・マガジン『LiceUlice』の事務所までは、直線距離で約600メートル。なのになぜこんなに苦戦しているかというと、キリル文字のせいなのです。
手持ちの地図の表記はアルファベット。でも、路上に表記されている道の名前はキリル文字。よって、自分が正しい道にいるかどうかも、わからないという体たらく・・・。
 でも、ベオグラードの人たちは優しい。「私もそっちに行くからついていらっしゃい」というおばちゃん。「まっすぐ行って、2つ目の角で左よ」と2回繰り返すおねえちゃん。道を聞いていると、わらわらと周りのおじさんも、「右や!」「左や!」と騒ぎ出す。ありがたい。
 そんなわけで無事事務所に到着すると、編集部員のニコレッタが出迎えてくれた。『LiceUlice』は昨年7月に創刊したばかり。セルビアの有名な俳優がスロバキアで『ノタベネ』誌を見て、「セルビアでもこんな雑誌が作りたい!」と強い思いを抱いたのが、きっかけだった。
 彼が、CSR(企業の社会的責任)の啓発などに力を入れている「SMartKolekvit」に話を持ちこみ、約1年前に記念すべき第1号が創刊された。現在販売者の大半が、ロマ(ジプシー)の若者たちだという。
 ニコレッタ自身は、それまでコピーライターとして働いてきたが、「あれは、今まで経験してきた中で、一番自分に合っていない仕事だったわ」と笑う。「『LiceUlice』では、社会の変化に貢献できているという実感があるから、とてもやりがいがあるわ」

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