2011年7月3日日曜日


6月28日 パート2 @オラデア、ルーマニア
 ルーマニアで阿部公房と出会うとは、思ってもみませんでした。ルーマニア・オラデアに住むMの義理のお父さんは、大変な読書家で、泊まらせていただいている部屋にもぎっしり本の詰まった本棚がある。
 夕飯を食べていると、このお父さんがふらりとやって来られ、「僕は日本の作家も好きなんだよ。阿部公房はすばらしいよね」と語り、本棚からルーマニア語に訳された『砂の女』を持ってきてくださる。思わず「わお!」と叫んでしまった。その後も川端康成や俳句など、日本文学の巨匠たちの名前が出てくる、出てくる。
 自身も詩人であるというお父さん。「チャウシェスクの時代は暗喩を使って表現していたけれど、最近はダイレクトな表現も増えましたね」と語る。ルーマニアのおすすめの詩人を聞くと、ずらずらとリストができるほど名前を挙げてくださったのだが、「ミハイ・エミネスクの『金星ルチャーファル』だったら日本語に翻訳されているんじゃないかな」とのこと。日本に帰ってからの楽しみができました。

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