2011年7月15日金曜日


7月3日 パート2 @ベオグラード、セルビア
 廃墟での環境イベントには、『LiceUlice』の販売者のジェイとエミールが出張販売に来ていた。ともにロマ(ジプシー)の家庭に生まれた彼ら。モンテネグロで生を受けたジェイは、1年生の時にベオグラードに家族とともに移り住んだが、以降学校には行っていない。そのため、「この雑誌販売を通して友達ができたのが一番うれしいよ」と語る。
 一方のエミールは、「創刊号に載っていた(エクストリーム・スポーツの)パルクールの記事がおもしろかったな」と雑誌内容もしっかり把握している様子。
 ロマの子どもたちのためのドロップイン・センターでボランティアをする大学生のミナ・ルキツは、「彼らと知りあって、ロマの人々に対する偏見がなくなりましたね」と語る。「ドロップイン・センターに初めて来たときには、自分の名前を書くこともできなかった子どもたちが、1つずつ言葉を覚えていってくれると、私までその日1日ハッピーな気分なんです」
 横で聞いていたジェイとエミールがそわそわし出した。「雑誌販売に行ってもいい?」。もちろん! 仕事熱心な彼らは、廃墟で思い思いに語り合っている人の輪に「『LiceUlice』いかがですか~」と呼び声高く駆けて行った。

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