7月14日 @ボルツァーノ、イタリア→ミラノ、イタリア
ハイジ生活も最終日がやって来た。M家の皆様に見送られて1人電車に乗ると、寂しさが込み上げてきた。3カ月近く旅を続けていても、やっぱりお別れには慣れない。
ヴェローナでの乗り継ぎを経て、やって来たのはミラノ。ここで日本から友人Hさんが、旅に合流することになっている。
夜11時。1人ホテルの部屋で待っていると、扉をノックする音が。扉の向こうに見知った顔を見た瞬間、思わず抱きついてしまった。
「これ、おみやげ」と手渡されたのは、数々の日本食、友人たちの寄せ書きと、宮本輝著の『異国の窓から』。
早速日本食で胃袋を満たし、寄せ書きを食い入るように眺めて心を満たし、『異国の窓から』を紐解く。小説『ドナウの旅人』執筆のための取材旅行日記である本書では、ドナウ川源流から河口までの旅が、現地での会話や息遣いを含めて克明に記されている。旅に出られたのが1982年の10月というから、当時、東欧諸国はまだ共産圏にあった。
ハンガリーのブダペストや旧ユーゴのベオグラードなど、自分も歩いた街並みが出てくると懐かしさが込み上げたり、約30年の時の流れを感じたり・・・。旅先での貴重な活字なので読み進めるのがもったいないと思いつつも、なかなか本を置いて眠りにつくことができないのだった。
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