2011年7月9日土曜日


7月1日 パート1 @ベオグラード、セルビア
ベオグラードのストリート・マガジン『LiceUlice』の名前には、言葉遊びが込められている。セルビア語でLiceは「顔」、Uliceは「ストリート」の意味。この雑誌名を「Lice U Lice」と読むと「Face To Face(顔を突き合わせる)」の意味になるし、「Lice Ulice」と読むと「Face of the Street(路上の顔)」の意味になる。
以前劇作家をしていたこともある編集長のサキと話していると、軽妙な会話劇の一員になったような気分になる。
例えばこんな具合。
“Buying ‘LiceUlice’ helps many people, reading‘LiceUlice’ helps yourself.”
(『LiceUlice』を買うと多くの人を助けることができるけれど、『LiceUlice』を読むと、あなた自身を助けることができます)
“Wow, That’s the good one! I would love to steal it!”
(おお、それ語呂がいいですね~。私も使おうっと!)
“Help yourself!”
(どうぞご自由に!)
『LiceUlice』のかっこいいグラフィック・デザインのことに話がおよぶと、サキはこう語る。「『LiceUlice』はトロイの木馬のようなものなんです。かっこいいデザインで、まずは僕たちの発信したいメッセージに近づいてきてもらうことが大切なんです」
 将来的には、雑誌の30パーセントが国内の記事、70パーセントは外国の、特に旧ユーゴの国々からの記事を掲載したいと語るサキ。旧ユーゴの国々では、クロアチアの『Ulične svjetiljke』誌、スロベニアの『Kralji Ulice』誌、マケドニアの『Ulica』誌などのストリート・マガジンが各国の路上で販売されている。
「今、キャピタリズムやグローバリズムが私たちに醜い一面を見せていますが、『反キャピタリズム』『反グローバリズム』という『アンチ~』でない選択肢があるはずです。多様性を持ちながらも共に生きていく、そういう道があるはずなんです。そのためには、『あなたは一人じゃない』と『Humanity(人間性)』と『Solidarity(連帯)』を軸に、メッセージを発信していきたいですね」

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