2011年4月21日木曜日






4月15日 @ソウル
 ビッグイシュー・韓国(以下、TBIK)は、「ストリート・エンジェル」(以下、SA)のメンバーが母体となって始まった。SAで5年間働いた後、現在TBIKでセールス&マネージメントの部長をしているのが、ジン・ムードゥさんだ。
 ジンさんは、SAで働き始める前は、富士ゼロックスでエンジニアをしていた。それがなぜ、炊き出しをするホームレス支援団体へ転職したのか、素朴な疑問をぶつけてみた。
「エンジニアをしながら、ボランティアでSAで働いていたんですが、そこの代表に『ぜひ、うちで働いてほしい』と頼まれたんです」
 安定した職を捨ててSAで働くことにフィアンセと両親は大反対。でも、SA代表の言葉に心動かされたジンさんは、結局SAで働く意思を曲げなかった。
 SAで働きながら目の当たりにしたのは、ホームレス状態の人が人間として扱われていない現状だ。政府はただ彼らを牢獄のようなシェルターに閉じ込めてたらいまわしにするばかりで、囚人のように扱っているとジンさんは語る。
 そんな時に知ったのが、ビッグイシューという雑誌の存在。これなら、ホームレス状態の人々への数々の偏見の解決策になるような気がした。そして、1年ほどの準備期間を経て、2009年7月、『ビッグイシュー・韓国』は創刊された。
 2年弱の時を経て、ビッグイシュー・韓国は周囲のNPOや一般市民から信頼を得つつある。ジンさん自身も4年の説得の時を経て、昨年無事フィアンセと結婚した。
政府の統計では5500人のホームレスが存在するといわれているが、それはソウルにあるシェルターの数をカウントしたに過ぎないという。ネットカフェやコシウォン(考試院)、チムジルバン(24時間営業のスパ)などを寝床とする不安定な住居に住む人も“ホームレス”とカウントすると、その数は2万人~10万人にのぼるのではないかというジンさん。TBIK創業の日から休みなく働く日が続く。

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