4月22日 パート2 @マニラ
アティ・メリーの家を後にして、『Jeepney』誌のもう一人の販売者、エミリー(47歳)に会いに行く。彼女は地元のNPOが07年9月に開いたコミュニティで暮らす。ここでは、12家族、40人の子どもたちがともに生活を営んでいる。3輪車タクシーでコミュニティ前にたどり着くと、子どもたちが何人か走り寄ってきた。カメラを見つけると、「撮って、撮って!」とモデル張りにポーズをきめてみせる。夢中でシャッターを切る。
エミリーの家は6畳ほどのスペースにベッド1つとタンス、そして大型テレビが置かれていた。大型テレビに驚いていると、「これゴミ山から拾ってきたのよ」とエミリー。なるほど、よく見ると、付属のボタンがいくつかとれている。
長距離バスのターミナルがあるケソン市クバオで路上生活をしていたというエミリー。夫はアルコール依存症になり、過酷な路上生活に途方に暮れていたが、08年の3月に『Jeepney』誌の販売者となり、4月からこのコミュニティの一員になってからは、少しずつ生活のめどがついてきたと語る。「路上生活をしていた時に、いつか屋根のある家で住む日が来ることを夢見ていたの。神様は私の祈りに答えてくれたのね」
そう語るエミリーが腰かけたベッドの上で、孫の男の子がすやすやと寝息をたてていた。
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