2011年4月25日月曜日





4月22日 パート1 @マニラ
 今日もマニラは暑い。建物から1歩外に出ただけで、毛穴中から汗が噴き出してくる。
 ストリート・マガジン『Jeepney』誌のスタッフ、リアと、インターンの中国人学生サイモンとともに、今日は『Jeepney』誌の販売者さんに話を聞くことに。
 道で三輪車タクシーを拾い、途中マーケットでお土産用のパパイヤを買って、ホテルから20分ほどのところにあるアティ・メリー(46歳)の家に到着。彼女の家は、スクウォッター(都市の廃屋などに住む人たち)によってまた貸しされたもので、1カ月の家賃は1500ペソ(約3千円)という。
 早速門をくぐると、半裸の子どもたちやトランプカードにいそしむ男たち、洗濯やおしゃべりする女たちや徘徊する犬に昼寝中の猫と、まさに混沌の世界。家々の至る所に脇道があり、その脇道からも生活臭がする。あの狭い空間にも、人が住んでいるのだろう。
一角ではお通夜が行われていた。が、全然しめっぽくなく、音楽と談笑でパーティを楽しんでいるかのよう。リアによると、フィリピンではこのようにして3日~5日ほど死者とともに時を過ごすという。
いくつかある細道の1つを左に曲がると、人ひとり通り抜けるのが精いっぱいの暗い細道に出た。その道の先にアティ・メリーの部屋があった。だが、そこはまったく太陽光の届かない闇の世界。そこで、細い階段を上って屋上の階段に座って話を聞くことになった。
現在46歳の彼女が語る半生は、常に路上とともにあり、過酷そのものなのだが、時に笑みを浮かべて朗らかに語るアティ・メリー。ただ一度大粒の涙を流したのは、路上で過酷な人生を歩まざるを得なかった子どもたちの話をした時だった。横で聞いていたリアは、そっと彼女の涙をぬぐった。

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