2011年8月6日土曜日


7月21日 パート2 @グラスゴー、スコットランド
 宿泊しているホテルの対岸にある「BBCスコットランド」で、『Eyes of the street(路上の目)』と題された写真の展示が行われていた。
 これは、79年のイラン革命や数々の大統領選、オリンピックなどを撮影し、40年近くフォトグラファーとして活動を続けてきた米国人デーヴィッド・バーネットが、『ビッグイシュー・スコットランド版』の販売者さんたちとともに路上に出て、10日間思い思いにシャッターを切ったものだ。自画像に、自分の販売場所の写真、帰り道や住み処を撮ったものなど、販売者さんの写真からは、シャッターを切った一瞬の匂いや風、温度や湿度までも感じさせるような作品が多い。
 INSP(ストリート・ペーパーの国際ネットワーク)のインタビューで、「この展示が、ホームレスの人々のイメージを変えると思いますか」と聞かれ、デーヴィッド・バーネットはこう答えている。「僕たちは世界を変えることはできないけれど、いつでもほんの一握りの人々のほんの小さな変化が、結果的に大きな影響を社会に与えるものです」「ここ20年間のテクノロジーの進化が人と人とのコンタクトを奪ってしまった面もありますが、この写真たちが少しでも人と人とを出会わすものであればいいですね」
 会場では、路上の目にくぎづけになり、食い入るように作品を見る人たちの間で、「私この作品が好き」「私はこっち!」と幾重にも会話の輪ができていた。

0 件のコメント:

コメントを投稿