2011年8月6日土曜日


7月22日 パート2 @グラスゴー、スコットランド
 グラスゴー最後の夜は、INSP(ストリート・ペーパーの国際ネットワーク)アワードの授賞式が待ち受けている。
『ビッグイシュー・南アフリカ』のトゥルーディ、『ビッグイシュー・ザンビア』のサンバは原色が映える民族衣装に身を包む。ドイツのアンドレアスはキルト、フィリピン『Jeepney』誌のリアはドレス。日頃各国の路上をジーパンとスニーカーで駆け回っている彼らも、この日ばかりはオシャレに決めている。
 INSPアワードは、40カ国100誌をこえるINSPの加盟誌を対象に、インタビュー部門、表紙デザイン部門、写真部門などで賞を授与するというもの。この1年ストリート・マガジンの現実を生き抜いてきた彼らの労をねぎらい、また次の1年もともに知恵を分かち合い、助け合いながら、乗り切っていこうという再確認の場でもある。
 今年「最優秀インタビュー賞」を受賞したのは、米国フィラデルフィアのストリート・マガジン『One Step Away』に掲載されたホセ・エスピノサ取材の「Fighting back」。かつてライトヘビー級のボクサーでワールド・チャンピョンだったマシュー・サード・モハメッドにインタビューしたものだ。
「ミラクル・マシュー」とも呼ばれた彼は、70年代後半から80年代前半にかけてボクシング界を賑わせたが、リングを去り、2010年には、ホームレス状態でフィラデルフィアのシェルターにたどりついた。
しばらくのシェルター生活を経て、ホームレス状態から脱却しつつあるところを、同じシェルターの住人ホセがインタビューしたものだ。(http://www.streetnewsservice.org/news/2011/july/feed-289/fighting-back.aspx)。会場からは温かい拍手が、受賞者に降り注いだ。
 授賞式の最後は、皆でスコティッシュ・ダンス・タイム。食べて、笑って、語り合って、分かち合った4日間。濃密なグラスゴーでの時間はこうして幕を閉じた。

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