2011年8月8日月曜日


7月25日  @エジンバラ、スコットランド→大阪、日本
 半年の予定で4月11日~旅を続けてきたが、自分の心と身体に相談をして、いったん日本に戻ることにする。激しい移動の果てに、知らず知らずのうちに疲れがたまっていたようだ。
 この決断をするまでに、ためらい、迷い、「決めた!」と思って、また逡巡し、と長い時間を要した。いくつもの訪ねる約束をした人たちの顔が浮かび、なかなか結論が出なかった。でも、勇気を出して、そして正直に「今回は体力・気力の限界で訪れることができない」という申し訳ないという気持ち、また「ストリート・マガジンを訪れるという旅をライフ・ワークにして、必ずいつか休みなどを利用して会いに行きたい」という思いを伝えると、皆一様に「わかったよ。今度会える日を心から楽しみにしているよ」と温かい言葉を寄せてくれた。
 3カ月半の旅を通して得たものは数えきれないけれど、真っ先に浮かぶのは自分の弱さと人の優しさだ。異国の地で一人で過ごす夜は本当に心細かったし、生まれ持っての方向音痴のおかげで、「ほんとに待ち合わせ場所までたどりつけるのかな・・・」と路上で途方に暮れることもたびたびあった。でも、そのたびに、通りすがりの見ず知らずの人や現地のストリート・マガジンのスタッフや販売者さん、友人の優しさに助けられ、なんとか旅を続けられたのだと思う。
 なかなか素直に人に「助けて」とSOSを発信できなかった自分が、こうして人の助けを借りて旅を終えられるのは、これからの人生の一番の宝物のように思う。
 そして何よりも、世界の路上で今日も販売者さんがストリート・マガジンを販売しているのだ、とあの美しい立ち姿を想像してみるとき、今でも心がわくわくする。家、仕事、家族、社会との絆……と一時にいろんなものを失っても、またひとつずつ積み上げていけるということを身をもって教えてくれた世界の販売者さんたちに、弟子入りしたような、そんな3カ月半だったようにも思う。
韓国の「アジョシ(おじさん)・バレエ団」や、台湾でともにスイカを食べた販売者さん、ロシアのストリート詩人に、オスロのニルス、ザルツブルグのゲオルグ&エヴェリナ夫妻、スロバキアのイヴァン、ベオグラードのジェイ&エミール……元気にしてるかな?と、また会いに行きたい衝動にも駆られるが、ひとまずしばらくは、日常に地に足つけて歩んでいこうと思う。
 そして、いつの日か、アフリカや北南米のストリート・マガジンの販売者さんやスタッフにも会いに行ける日が来ることを夢見つつ……。

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