5月31日 @ザルツブルグ
ミカエラは、12年間この地のストリート・マガジン『アプロポ』の編集に携わってきた。「2年前にオーストリアでジャーナリストに贈られる権威ある賞を受賞した時はもちろんうれしかったけれど、でも一番の喜びは、やっぱり販売者から得るものなのよね」と語る。
一番うれしいのは、販売者が助け合う姿を目撃すること。「ルイザっていう販売者がいるんだけど、別の販売者のリュックサックが破れているのを見て、『これ、使いなよ、いいの見つけたからさ』って、バザーで買ってあげたり、助け合う姿を見ると、『あぁ、美しいなぁ』と思って元気をもらうのよね」
『アプロポ』では、最近、別冊の本を出した。その本のテーマは、「あなたにとって『ホーム』とは何ですか?」。15人の販売者にこう質問し、それぞれが自身の半生を語ったり、ホームへの思いをフィクションという形で織り込んだりし、撮り下ろしの写真とともに発表した。
「馬の背に乗ると、『ホーム』を感じます」という人がいれば、「母に会ったことがないから、いつも母を探しているよ」という人もいる。またある人は、「ホームは、僕の心の中にあるよ」と語る。
「ミカエラにとって、ホームって?」、同じ質問を彼女にぶつけてみた。「そうねぇー・・・」しばらく考えた後、こう答えた。「私も、1人の販売者さんと同じ答えね。ホームは私の心の中にある。私の愛する人たちが、私にとってのホームかな」